05.屋根を葺く

図書館で借りた『屋根』という本を読破した直後から、世界がちがって見えました。大げさですが、本当です。 なんて面白いんだ、屋根! 近所を散歩していても「切妻」「寄棟」「入母屋」……とその形状が気にかかり、「瓦」「スレート」「金属」……とその材料に着目し、勾配や、果てはそれが作られた年代にまで想いを馳せずにはいられない。会う人ごとに「いま屋根にハマっててね」と語り始め、胡散臭がられる始末。…

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04.歪んでるもんですよ、みんな。

窓辺に立った瞬間、これだ!と心が動きました。 それはある冬の昼下がり、知人に案内された古い長屋でのこと。薄暗い室内はまだふつうに人が住んでいるようで、箪笥や置物があり、それらを模様入りのガラス窓から射すやわらかな光が縁取っていました。 そこに佇んだ途端、ここがお店になったら……という立体的なイメージが湧いてきたのです。それは今までたくさんの物件を見てきた中で、初めての感覚でした。 …

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03.場所探し

ぼくらはお店の場所を探すにあたり、まず友人から紹介してもらった不動産屋の担当者を訪ねました。この人は「おもしろい」物件を紹介してくれると、界隈ではちょっと知られた人でした。 最初に紹介してもらったのは……、なんだっけ? とにかくたくさん見ましたからね。 ボールを床に置くとコロコロ転がってゆく長屋とか、場所は悪くないけどえらく細長い建物とか。予算的な制約も手伝って、「ちょっと」変わった…

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